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Mの悲劇

これは一人の仏人女性を中心とした、氷点下の街で繰り広げられる一夜の物語。

僕には憧れの人がいました。Mというフランス人です。(ずっとドイツ人だと思ってました。)

ある夜、僕とTと日本人たちでとあるクラブNに入ろうとしました。
友人の日本人女性がfacebookで名前と人数を掲示板に書き込んだはずなので、当然名前がリストにあるはずです。
がしかしセキュリティの禿頭に「リストに名前が無い」と言われます。
ヨーテボリのクラブではリストに名前が無いとエントランスにすら入れないクラブがいくつかある。

禿頭は信用ならんので、ボサボサ髪のセキュリティに再度聞いてみる。
「彼女の名前があるはずなんでチェックしてくれ」と。
しかし先ほどの禿頭が近づいてきて阻止される。
その後二度試みるが、もう顔を覚えられているのか、アジア人差別からか、
「今夜はお前らは入れない。一度しか言わないぞ。消えろ。」
的なきつい言葉を浴びせられる。またか。前回もこのパターンでこのクラブに入れなかったのだ。
悔しいほどにセキュリティはガタイいいし、威圧的だし。どうしようもなく、fuck you! だのなんだの負け惜しみを言って去るしかない。

その最中、二ヶ月ほど前に初めて会ったMがクラブから出てくる。
どうしたのかなと思い、Hi.と声をかけてみる。すると彼女は突然険しい顔をする。ああ、多分僕のこと覚えてなんだな、と思い、ほっておくことにした。
すると突然、誰かに右腕をつかまれる。Mでした。腕を組まれ、右手を握られている。
実際全く話したことのない子のいきなりの行動に、これは運命かと一瞬ドキッとしてしまいました。

彼女はどうもクラブから追い出されたらしく、友達はまだクラブの中にいるらしい。
再入場を試みる彼女。しかし足下がおぼつかない。彼女はまさしく泥酔状態でした。
セキュリティも彼女の酔いっぷりをみて、入場を許す訳が無く、そして一緒に居る俺らも当然入場なんか出来るわけない。

あきらめて日本人の友達が何人か帰る中、Mの酔いっぷりがあまりにも激しいので、とりあえず僕とTは彼女の友達を捜してあげることにした。
しかし、友達の名前はわかるものの、番号は知らず、彼女の携帯は壊れている。当然、僕ら3人はクラブに入って探すことも出来ず。
帰りたいが、このままMを大通りに放っておくこともできない。ので彼女の家まで送ってあげることにしました。彼女はセントラルステーションからバスを乗り継いでいくとある学生寮に住んでいる。ここからはかなり遠い。
しかし仕方ないので送ることに。
午前1時になり、トラムも頻繁にはでていないので、セントラルステーションまでMをほぼ担いだ状態で歩く。
会話もままならず、「こっちこっち」とセントラルとは真逆の方向に連れて行こうとしたり、違うバスに乗り込んだり。
そうこうしているうちにセントラルについたはいいものの、突然嘔吐しだすM。
ベンチに座らせ、Tが飲み物とティッシュ(知らないおじさんありがとう。)とビニール袋(掃除のおじさんありがとう。)を走って調達し、介抱体制を整える日本人2人。

どれくらい出ただろう。そうとうな量の汚物を吐き出し、眠りにつくM。
「寝顔は完全に生まれたての小鳥」(T談)
凍えるバス停のベンチでバスを待つこと30分。あまり人が乗っていないことを祈ったが、あいにくほぼ満席。
おっちゃんが笑って席を譲ってくれ、Mを座らせる。

5分も走ると、またも嘔吐を始めるM。用意していたゲロ袋でなんとか処理する。完璧な手際の良さに我ながらうけた。そして何よりも、周りの視線が痛い。2人の東洋人が金髪の西洋女性を介抱している姿を見る周りの目は、完全に誤解と偏見の視線だった。

Tがゲロ袋を持ちながらMを支えている姿は、彼女の首を絞めて顔を袋に無理矢理突っ込ませているようにも、
僕が彼女の鞄をゲロからよけようと守っている姿は、酔っぱらった女性から鞄を盗もうと試みているようにも、
見えたんだろうな、今思えば。

そろそろ着いたかに思えた時、突然一人のスウェーデン人おばさんZが登場。
「何をしているんだ」「彼女との関係は」「救急車を呼べ」
そして、ゲロ袋を取り上げ、「こんなものは必要ない!」と言い放つ。
誤解と偏見の化身のようなZは2人の東洋人の話も聞かず、錯乱状態のMに話しかける。
「名前は?」「スウェーデン語しゃべれる?」「おうちはどこなの?」「大丈夫?」「この2人は友達なの?」と。
スウェーデン語を話せない怪しげな東洋人2人が必死で介抱しているというのに、「心配だから私がついていく」とZ。

彼女の住む寮の最寄りのバス停に到着する。
やっとのことでMを降ろし、ベンチに座らせる。
降り際に、サラリーマン風のおっさんLが現れ、
「水を飲ませなきゃダメだ。最低でも二リットルだ。」
んなもんわかってるわ。というか二リットルって数字はどこから出てくるんだ。

Zは「救急車を呼ぶ」を喚き立てる。
完全にキレた友人TとZが口論になっているので、それをなんとか抑える。その間、Mは爆睡。
しかし、よく見ると、Mは白目をむき、首には力が入ってなく、これは見るからにやばそうだ。
「あなたたちこれはアルコールだけじゃないでしょう」とZが喚くのもわかる。
救急車を呼んだ方がよいかなとさすがに僕も思い、
「M、目を開けられる?」と聞いてみる。
頷き、普通に目を開けるM。なんだ、大丈夫じゃん。
「あなた、完全にラリってたよ」、なんて言える状況ではなく。
とにかく彼女を早く部屋に返して、ここから抜け出したい。

するとそこに野次馬が数人。めんどくせー。
その中で、小太りのおばさんAも何故か参加し、僕・T・Z・Aの4人でMを部屋まで送り届けることに。
「中国人か?」「なんで彼女はこんなになったのか?」「彼女と一緒に住んでいるんじゃないのか?」とZに質問攻めされる。
いいかげんZにカチンときたの僕も英語で反論し以後Zは無視することにした。

推測するに
中国人マフィアの2人が金髪のスウェーデン人女性に酒やらなんやらを飲ませ泥酔・錯乱状態にさせ、家までつれて帰りよからぬことをしようとしている
そんな図に見えたんだろう。

こっちは、とにかくクラスメートが何故かわからんが泥酔していて、街の大通りに放っては置けないので家まで送り届け、必死に介抱していたというのに。ゲロをひっかけられても。。

というわけで、無事にMを家に送り届けるも、
部屋に着くやいなや、おせっかいおばさんZが部屋に入り、Mに水を飲ませる。しかし、抵抗するM。
「ここはあたしの部屋よ。さようなら。」と言わんばかりに部屋に着くなりドアを閉め鍵をかけるM。
けど、Zが中にいるんですが・・・・

Mは泥酔しているから狂っているが、Zはそれはそれで狂っていると思う。
おせっかいにも程があるおばちゃんZ。
あきれる僕とTとA。Aはいい人でした。今日は上司のクリスマスパーティがあった、なんていう平和な話をしながら、癒されました。

しかし、まあZにしろAにしろMのことを思っての親切心からの行動と考えれば、いい人たちなんだが。
俺らはもう完全に犯罪者扱いでした。Zめ。



もしあのまま彼女を大通りの真ん中に放っておいたら、、、、と考えると、人助けをしてよかった。

しかし狂ったおせっかいスウェーデン人Zの登場と、家に帰った後に気づいたゲロ臭い服の臭いで、そんなささやかな満足感は消し去られました。

そんな酔っぱらった憧れの仏人と誤解と偏見に振り回された、一夜でした。
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.05 2009 Diary in Sweden comment0 trackback0

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Author:littlehawk
スウェーデン・イェーテボリ大学留学後、本格的に海外展開したいと考えています。

旅の記録・日々感じたこと・勉強していること・イベント告知・・・ジャンルはごちゃ混ぜです。

留学全般、特にスウェーデン、北欧諸国についてのご相談、英語学習についてのご相談など何でも気軽にコメントを下さい。

Hello, hej, hola!
I'm a student in Tokyo, Japan.
This blog is used as a place to express my daily thoughts, about my academic studies, and about my travel experiences to Europe(19 countries)/Asia/Africa/America, etc. Recently, I try to write what I've experienced in Gothenburg/Göteborg, Sweden, where I was studying for one year, 2009-2010.

My interests:
Sustainable development issues, complementary currencies, community currencies, eco-village projects
My hobbies:
camping, cycling, and other outdoor activities, paying football
Places I've been:
Sweden, Norway, Denmark, Iceland, UK, Ireland, France, Germany, Spain, Italy, Poland, Czech, Slovakia, Hungary, Romania, Bulgaria, Turkey, Estonia, Kenya, India, United Arab Emirates, Oman, Thailand, Korea, China
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